フォークリフトオペレータは人手不足

フォークリフトオペレーターは物流をはじめとした多くの現場で活躍している仕事ですが、現状、さまざまな要因から人手不足に陥っています。こちらのコラムでは、フォークリフトオペレーターの人手不足の理由や、フォークリフトオペレーターの需要についてまとめました。

フォークリフトオペレータは人手不足

フォークリフトオペレーターが人手不足に陥っている理由には、どのようなものが挙げられるでしょうか？
フォークリフトは、人が運ぶことが難しいような重たい荷物を、すばやく安全に運ぶ産業車両で、倉庫などの物流の現場において欠かせない役割を担っています。
特に近年は、ネット通販需要の高まりによる物流量の増加に比例して、フォークリフトの仕事の需要も増加しています。

経済産業省発表のデータを見てみましょう。

電子商取引に関する市場調査

物販系分野の BtoC-EC の市場規模
2020 年12 兆 2,333 億円（EC 化率 8.08%）
2021 年13 兆 2,865 億円（EC 化率 8.78%）
8.61%伸長率

上記のとおり、物販系分野のBtoC-ECの市場規模は、2020年の12兆2,333億円から1兆532 億円増加し、13兆2,865億円となり、伸長率は8.61%となっています。
2020年は新型コロナウイルス感染症拡大に伴う巣ごもり消費の影響で大幅に同市場規模
が拡大しました。翌2021年も、伸び率は鈍化しつつも増加していることがデータからわかります。

参照）経済産業省　令和3年度 電子商取引に関する市場調査報告書
https://www.meti.go.jp/press/2022/08/20220812005/20220812005-h.pdf

このように、以前からのネット通販需要の高まりに加えて、近年のコロナ禍による巣ごもり消費の需要が増えたことにより、物流市場は拡大傾向にあります。
増え続ける物流量に反して、物流関連のドライバーやフォークリフトオペレーターといった職種では、人手不足の問題が深刻化しているのが現状と言えます。

人手不足対策でフォークリフトの自動化

フォークリフトオペレーターの慢性的な人手不足を解消する対策として、フォークリフトの自動化が挙げられます。
人間が乗って操作していたフォークリフト作業を無人化・省人化できる自動運転フォークリフトや、無人搬送フォークリフトの開発や導入により、人手不足の解消や生産性を向上させる対策となります。
自動車メーカーのトヨタなどで開発されている無人搬送フォークリフトは、一般にAGFと呼ばれますが、その特徴を見ていきましょう。

・AGF（Automated Guided Forklift）
コンピュータ制御により無人で搬送するフォークリフトです。工程間搬送や製品保管・入出庫、出荷荷揃え、ピッキング、積み付け・積み降ろしなどの自動化の用途として用いられ、現場や作業目的に合わせて無人・有人運転が可能です。

参照）自動化・無人化 | トヨタL＆F ロジスティクス＆フォークリフト
http://www.toyota-lf.com/products/work/automatic.html
このように、物流現場の人手不足解消や生産性向上を目的として、フォークリフトの自動化が進められています。

フォークリフト免許があれば仕事に困らない？

自動化の動きが進んでいるとはいえ、物流現場での作業の自動化にも限界があります。
実際には、細かなチェックは人間が行っている現場や、人とロボットが共同作業をしている現場もあります。
また、大手企業や大規模な倉庫では自動化やAGFの導入が盛んであっても、小さな倉庫などでは、コスト面から自動化が進んでいない現場も数多くあり、そのような現場ではフォークリフトオペレーターが活躍しています。

フォークリフトの運転には免許が必要ですが、フォークリフト免許があり、さらに運転経験があれば、物流の現場で重宝され、活躍できる可能性が広がります。
フォークリフトの免許は、正式名称を「フォークリフト運転技能講習修了証」といい、労働安全衛生法で定められた国家資格となります。フォークリフト免許は、年齢が18歳以上であれば、国籍・性別・学歴は問わず受講が可能です。また、免許取得まで最短2日で取得可能で、合格率も100％に近いため、誰にでも取得しやすい資格となっています。
また、フォークリフト免許があれば、物流の現場で主に扱われているリーチフォークリフトやカウンターフォークリフトを運転可能です。免許は1種類でさまざまなフォークリフトを運転できるようになるため、求人応募のチャンスが広がるでしょう。
さらに、フォークリフト免許には年齢の上限がなく、長く働くことができるということもあり、『一生モノの資格』とも言われています。
ここで、近年のフォークリフト免許取得者数のデータを確認してみましょう。

フォークリフト運転技能講習
平成16年度230,157
平成17年度253,037
平成18年度257,012
平成19年度271,446
平成20年度269,998
平成21年度232,346
平成22年度225,820
平成23年度230,447
平成24年度235,728

参照）
厚生労働省　技能講習等の登録教習機関数及び修了者数
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei11/index.html
安全関係技能講習等修了者数
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei11/dl/ginou_syuryo_anzen.pdf
物流市場が拡大する一方で、フォークリフトの免許取得者は大きく増加していないのが近年の傾向です。
近年の物流の現場では、どのような職種も慢性的な人手不足に陥っていますが、フォークリフトも例外ではなく、求人数に対してフォークリフトオペレーターが不足している状況です。
物流の現場での仕事を希望している人で、まだフォークリフト免許を取得していない人は、この機会に免許取得にチャレンジしてみると良いでしょう。

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